簡易耐火の木造長屋都営住宅である。建て替えが頻繁になるにつれ、急速になくなってきたが、最近まで都営住宅といえばこのタイプを想像し、また居住経験のある方も多いことと思う。高度成長期に収入の少ないうちは都営に住み、余裕が出てきてからマンションを買ったり、一戸建てを買って都営を離れていった方も多いことと思う。実は自分もそのつもりで住んでいたのだが、バブル期の一戸建てやマンションの価格は異常に高価に映り、とても手の出るものではなかった。これが幸いしてか、当時小売量販店に勤めていた自分にとってはバブル収入面での影響は全くといっていいほどなかったためか、高価な持ち家のローンで苦しむことには免れたこととなった。その後量販店といえば現ダイエーに見られるようなありさまがあるのだから、下手をすれば、住宅ローンによる自己破産という結果になっていたかもしれない。
このタイプの都営住宅の住み心地はひどいものである。立て付けが悪いので窓ガラス(サッシではない)は動きが悪く、雨戸があるのだがこれが住んでいる者でないと動かないというか開け閉めにコツが必要で、軽く動くものではなかった。この不便さを家賃の低さに納得しながら住んでいたのであったが、近隣付き合いの良さもまさに横のつながりというやつで、結構連帯感があったように思う。良くも悪くもこれが都営住宅、と住む者にも、もしや外部の方々にも存在感があった形ではないかと思う。米軍ハウスをご存知の方も多いと思うが、あれを縮小したようなモデルが感じられるのは自分だけであろうか。自由な雰囲気もあったし、住み心地も含めこれが一番個人的には自分に合っていたと思う。良くも悪くも思い出がたくさん詰まっている。

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